idyllicocean

Your cruise ship portal

海と船の情報ポータル
ログインしていません。You are not logged in.
ログイン (Sign in) 登録 (Register) マイル (N. Miles)
クルーズシップ検索


「フェリーはやとも2」乗船レポート
写真・文:楠本貴寿様
フェリーくるしま1999年3月22日小倉発の関西汽船「フェリーはやとも2」に乗船しましたので、その時の模様をレポートさせていただきます。

この航路はコンスタントに乗船率は高いようなことを聞き及んでいましたが、この日も春休みとはいえ平日にも関わらず乗船客は多く、2等寝台dは満席でした。小倉のターミナルは待合室が簡単なプレハブで、困ったことに私のような徒歩客に対しては、電車で小倉まで行くのはともかく自宅より車で送ってもらう場合、ターミナル内に送りの車を停めさせてもらえません。もっとも表の国道199号の歩道が幅が広いため、そこに停めることは不可能ではありませんが・・・。

乗船してみると、船内の等級別の室数は、2等寝台dは8人部屋で301~316の16室、1等は6人部屋で201~207の7室(206・207はインサイド)、特等bは4人部屋で101~105の5室、最上級の特等aはバス・トイレ付きの2人部屋で2室の設定。これ以外は2等で401の部屋は昔リクライニングシートが設置されていた部屋で、ドアや照明に当時の面影があります。

●スナックメニュー
枝豆310円、たこ焼310円、フライドポテト310円、いかのげそ揚げ310円、じゃこ天260円、冷奴260円、もろきゅう260円、おでん各100円、牛丼420円、カレーライス550円、ごぼ天うどん450円、月見・わかめ・きつねうどん各420円、たこの唐揚げ420円、焼とり420円、サントリーオールド(s)500円(w)800円、サントリーリザーブ(s)600円(w)900円、生ビール(中)550円、ビンビール(中)500円、ふくのひれ酒480円、日本酒450円、おにぎり(各種)110円、ジュース(オレンジ・コカコーラ・カルピス)m120円l150円

●「さんふらわあ」グッズ
トランプ800円、下敷き(「こがね」の写真)290円、ポストカード(「こがね」の写真)50円、ジグソーパズル(「あいぼり」の写真デザイン)920円(240ピース)、消しゴム160円、定規セット210円

※これに加え、小倉-松山航路使用船デザインのタオル420円もあり。

4000トンクラスの船で、甲板配置はc・d甲板が車両甲板、b甲板はドライバー室、a甲板が客室メイン、航海船橋甲板は乗務員区画と2等の415号部屋となっています。建造年はあまり新しくないので乗船口からエントランスホールまでは階段で、エントランスホールも大型フェリーのように吹き抜けではなく一層のものですが、圧迫感などは感じられません。数年前に改装を行ったのかエントランスホールはきれいな印象でした。隣接するロビーは畳の上にカーペットが敷かれ、机も置かれて土足厳禁のくつろぎのスペースとなっていました。

比較的短距離の航路のため、レストランはありませんがカウンター形式のスナックが設置されています(メニューは別表参照)。以前は小さなレストランもあったようですが、現在は使用されず「はやともの間」という名称がつけられて使用休止とされ、レストラン内にあったイス・テーブルはスナック用としてスナック前に置かれていました。実態に即したサービスを心がけているように見受けられました。売店はかなり広くスペースがとられ、フェリーグッズも色々と売られています(別表参照)。

フェリーグッズは別府航路の「さんふらわあ」系のものがほとんどですが、オリジナルタオルは「フェリーくるしま・はやとも2」のデザインですので買う価値ありでしょう。浴室はインサイドで石鹸のみが置かれています。浴室は広さは大体適したものだという印象です。1等以上には1等・特等用の浴室があり、こちらは規模的には小さいものですがアウトサイドで窓もある展望風呂で、1等以上で浴室を利用するならこちらの方がお勧めです。

私の乗船したのは1等でした。前述のように6人部屋で室内は2段ベッドが3組に、簡易クロゼットと洗面台、それにイス・テーブルが設置されています。寝台内には棚、物掛け、引き出し式ミニ網棚、寝台灯が設置されており、手の届く範囲に小物置き場があるのは便利なところ。シーツ・毛布のメイキングはセルフとなっています。また1等では、チャック式袋にタオルと歯ブラシが入ったアメニティキットが全員に配布されます。乗船時にフロントで乗船券を提示して部屋の案内を受けますが、フロントの応対は爽やかで好印象を持ちました。

繁忙期に運行される昼行便はともかくとして、定期の夜行便はまさに「寝るだけ」の便ではありますが、朝は松山観光港到着後7時まで希望者は船内休憩が出来ます(繁忙期の昼行便運航時を除く)。ただ船内放送によれば自動車つきで乗船する乗客は、一旦車を岸壁に出してから再度船内に戻って7時まで滞在できるというもので、自動車つきの乗客は7時までずっと眠り続けられるわけではないので、そのような乗客には果たしてこれは有用なのだろうかという疑問はあります。いずれにしましても、私のような徒歩客では5時半に松山観光港に降ろされても困りますので、ありがたいサービスです。松山港到着時にフロントの方が各部屋を回って延長滞在するかどうかを1人ずつに聞いてきます。この時にコーヒーの販売も一緒にあります。

松山観光港で7時まで船にいると、後方のの岸壁に到着する「さんふらわあ こがね・にしき」を見ることが出来ます。この船内延長休憩で注意しなければならないことは、スナック・売店は4時から早朝営業を行うものの7時まで営業はしないということです。このあたりは確認しなかった私がまずかったのですが、6時過ぎに起きたのでオリジナルタオルを買うことが出来ませんでした。夜行便でグッズを買うのは前夜の内に済ませておいた方が確実です。それから、延長船内休憩を利用すると正規の上下船口の乗降タラップは船から切り離され、下船は車両搬入ランプから船外へ出るということになります。なかなか得難い体験が出来ますが、車両甲板までの階段が急で狭いため、大きな荷物を持っているといささかつらいところではあります。

この航路は短時間ですがなかなか楽しい航路です。フルに乗船時間を楽しみたい向きには、繁忙期に運行される昼行便に乗船するというのも良いかもしれません。またこの航路は、関西汽船が沖縄・神戸-高松航路から撤退した現在、最後の関西汽船オリジナルの「ハーバーグリーンカラー」の船が就航する路線でもあります。

このページの本文・画像提供は当ページを閲覧してくださった楠本さんによるものです。なお画像は同航路に就航する「フェリーはやとも2」の姉妹船「フェリーくるしま」です。

コメントは登録されていません。
No comments had been registered yet.