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「フェリーせっつ」乗船レポート
写真・文:楠本貴寿様

新門司港の「フェリーせっつ」 1997年12月24日,神戸六甲アイランドより阪九フェリーの「フェリーせっつ」へ乗船しました。神戸航路が1往復体制になってからは初乗船ということになります。この船には処女航海日、さらにもう1回ほど乗船したことがありますが、いずれもこの「せっつ」で姉妹船の「すおう」には幸か不幸かまだ一度も乗船したことがありません。

 京都から阪急・阪神・六甲ライナーを乗り継いで、さらに六甲ライナーの最寄り駅からの送迎バスに乗り継ぎます。つい最近まで、神戸の送迎バスのみが有料でしたが、最近になって泉大津・新門司にあわせて無料となったため費用面での負担はわずかながら軽減されました。

 今回予約をとったのは、「シングルスペシャル」と呼ばれる2等指定Aで片道10,590円、「ニューながと・あかし」「フェリーせっつ・すおう」に設定があります。「ニューながと」クラスはカプセルホテルのような構成で完全な個室ではありませんが、「フェリーせっつ」系では完全な個室となっているので、同じ料金を払って乗るならばこちらの方がお得感があります。とはいえ完全な個室になった分、20室のみなので早めに予約する必要があるかもしれません。

 部屋の構造は、2室で1組のような感じで(もちろん独立している)断面にすると鍵型のように組み合っています。ご存じの方であれば、JR九州や北海道がブルトレの「ソロ」で採用している構造と同様です。ただ当然ながらブルトレよりもこちらの方が広さは完全に広く快適です。このため、ベッドは部屋によって下にあったり上にあったりします。下の方にある部屋は隣室のベッドが上に来るような感じなので、ベッド部はヘッドクリアランスはあまりなく圧迫感があります。ただしヘッドクリアランス的には、ベッドが上の方にある部屋も同様です。

 部屋の装備品は、空調や案内放送の音量の調節が自由に出来るのはもちろん、テレビ・ビデオデッキもベット部に装備され、フロントでレンタルビデオを借りることが出来、部屋で楽しむことも出来まsy。また、室内の通路部というかその位置のつきあたりには、机と椅子まで用意されています。荷物置き場は机の下に棚が設置されているものの、あまり大きなものは入りません。移動にはもっぱらスーツケースを使っている私にとってはいつも荷物の置き場には、少し困ってしまいます。テレビについては受信可能な地上波の他にWOWOWを含めたBS全チャンネルが視聴できます。またブリッジに設置したカメラを通して前方景色の映像も見ることができます。

 今回は久しぶりにレストランを利用してみました。一般的なカフェテリアタイプのレストランでメニューも一般的なものなのですが、今回乗船した際に「ホルモンの鉄板焼」という新メニューを発見しました。こちらについては焼きたてのものを席まで持ってきてくれるので、量的にもボリュームがあります。私はこれにご飯とみそ汁という組み合わせにしましたが920円程度とリーズナブルでした。ちなみにこの「ホルモンの鉄板焼」は数量限定のようなので、食べられるなら早めに行かれることをおすすめします。この他にも「やきめし」も新たに加わり、こちらも出来立てのものを席まで運んでくれるようです。カフェテリア方式では、メニューが没個性的なものになりやすいが、このような工夫をしているのは評価出来ます。レストランには独立したグリルもあるがほとんど今までは利用されておらず閉じられているようですが今航海ではレストランの禁煙席として利用されていました。

 飲食関係では、売店や飲み物とカップ麺の自販機もありますが、従来は清涼飲料の自販機の価格は、110円と地上と同じ良心的な価格であったものの今回乗船した際には120円へとアップしていたのが、少しショックでした。

 高速バスやブルトレが真似できないものとして展望大浴場があるが、この船は新しいだけあってここも快適でした。無料のボディソープとリンスインシャンプーもあり、脱衣場にはドライヤーまであるので、タオルさえあれば気軽に使えます(タオルは売店でも販売)。大浴場は利用時間に制限はあるもののおおむね私の経験からいくと21時を過ぎてから行くと、他に利用する人がほとんどいないので自分だけの貸切状態になります。浴槽も広くジャグジー的な泡が出る機構もあるのが気持ちいいです。

 航行状況は、瀬戸内海航路だけあって大きな揺れもないし、至って快適です。新門司発便だと辛いが神戸発便だと、そんなに遅くない時間に瀬戸大橋を通過し、ほぼ完成した明石海峡大橋の通過も楽しむことができます。もう一つの本四連絡ルートである「尾道今治ルート」の通過は、上下便とも時間帯的に見るのは大変です。

 パブリックスペースについてですが、「フェリーながと」に比べると、レストランが広がったためか、2等客向けのサロンスペースがほとんどありません。しかし2Fにある割に広い1等・2等指定客向けのサロンも、2等客が利用してもお咎めなしなのでさして問題はないようです。3Fには小さな展望サロンもあります。また「フェリーせっつ」にはカラオケボックスも3室設置されており、フロントで利用料金を払えばあとは歌い放題というものです。また、車両デッキから客室各階へは阪九では初のエレベーターが設置されているのも嬉しいところです。客室階相互間でももちろん利用できるので、大きな荷物を持つ人には便利です。私もスーツケースの階段での持ち運びはつらいので、こちらを利用しました。

 翌朝もレストランは営業していますが、神戸発新門司発とも到着時間が早いのであまり利用価値はないかもしれません。私も利用したことがないので朝食メニューの価格などはわかりません。新門司入港時には、オーシャン東九フェリーや、先に到着している泉大津発第一便も目にすることが出来ます。また新門司到着後は西鉄パスをチャーターした無料送迎バスが門司駅経由小倉駅行きで運行されているのですが、私は実家の車の迎えを呼んでいるので、それで下関へと向かいました。

 以上のように、「フェリーせっつ」系の2等指定Aはオススメできるクラスである。大阪-小倉で比較してみると、夜行高速バスは9500円であるが、こちらは10,950円で、大阪から六甲ライナーまでの鉄道料金が多少かかるが、費用的には差はほとんどないので、非常にお得といえると思います。さすがに高速バスには所要時間では負けてしまうが、「夜行移動で時間に制約されないので非常に「投資対効果」は高いように思います。

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