「ニューしらゆり」は、2万トンを超す「あざれあ」「しらかば」や超高速の「すいせん」「すすらん」を擁する新日本海フェリーの9隻のフェリーの中では、僚船「ニューはまなす」とともに、もっとも地味な存在です。
僕も、このもっとも小さい(といっても17,305トンもあるが)上に、もっとも多くの乗客数を誇る(929名)ので、あまり期待していませんでした。しかし、インテリアはすべてウッド、あるいはウッド調で統一されており、とてもシックな印象です。この木目調インテリアは、エントランスロビーはもちろん、レストラン、個室のドアまですべて統一されています。竣工してちょうど10年ですが、年代を感じさせません。また乗客収容数が多いにも関わらず、巧みな客室配置の為、そんな窮屈な印象はありませんでした。ただ、当日の乗客数は、定員の1/3程度だったので、満員の時は、また印象が違ってくるかもしれません。
さて、僕はなるべくエンジン音、振動が少ないフォワード側に寝台を選びました。しかし、当日は、台風19号が去って、又20号も太平洋側を通過している時だったので、うねりが大きく、出港してしばらくは大きく揺れました。酔い易い人は、船体中央に近いほうが、揺れは少ないでしょう。ただしエンジンの振動は大きくなります。さて、船内設備をみると、まず車両甲板から、エントランスロビーまではエスカレーターで上ります。エントランスロビーでは、36インチのテレビが設置してあり、bs放送などを放映していました。しかし、ここはそんなに広くはなく、せいぜい15~20人程度しか座る場所はありません。
エントランスロビーから階段を上ると、1等船室、レストランがあり、さらに上るとスイートルーム、特等船室そしてラウンジがあります。このラウンジは、後の「あざれあ」級、「すいせん」級にはなくなってしまいました。バブルのなごりでしょうが、豪華な印象を受けます。さらに、階段を上るとゲーム室、麻雀ルームがあります。このフェリーは車両甲板を除くと、4階あります。乗客を詰め込む苦肉の策でしょうか?残念なのはフォワードサロンです。何と前方の窓が、外側より目張りされており、前が見えないのです。ここの存在理由がなくなった印象です。これは、帰りに乗った「すずらん」も同じでした。何か問題があったのでしょうか?広さ自体は、20名程度でしょうか?それにしても残念です。
レストランは、カフェテリア方式となっています。味はまあまあですがやはり高いですね。朝食をまともにとろうとすると1,500円は必要です。何しろ、新潟から小樽まで、2等で5,250円で行けるので、食費が割高に感じられてしまいます。広さ自体は、乗客収容数に合わせ、かなり広くなっていました。あと、完全予約制のグリルがありましたが、この船は、夕方17時20分着なので、夕食は着いてから、小樽、或いは札幌でというのが、一般的でしょう。尚、船内には、給湯室があり、カップラーメンを食べている人もかなり見受けられました。
さて、当日は、台風20号の影響で、風も強かったためデッキに出られなかったのは残念でした。あと、航路は比較的沿岸に近い為、携帯電話が使用できます。(船内電話ももちろんあります){帰りの「すずらん」では、圏外となっていました}
今まで利用したフェリーには、プロムナードデッキがあり、ここで時間つぶしをしたものですが、このフェリーには無いので、居場所に困り、寝台で寝そべって要る時間が長くなりました。やはり、フォワードサロンの窓がつぶされたのは、返す返す残念でした。小樽に到着したのは、台風の影響からか約10分遅れの17時30分でした。僕は、その後翌日6時20発の礼文島行きのフェリーに乗るため、稚内に向かいました。
このページの本文提供は当ページを閲覧してくださった金田 芳晴さんによるものです。なお、写真はnttテレホンカードからスキャンしました。
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