1999年2月28日乗船
当日は、新門司から東京まで乗船しました。2等で東京までだといささかきついような気もしましたので、寝台にしようと考えたものの1等寝台は2等の倍近く料金がかかるため、直接新門司乗り場へ予約も兼ねて電話で一等和室について問い合わせてみたところ「2等と1等和の差は部屋が広いか狭いか程度です」と言われたため、まだ学割を利用できるため2等にすることにしました。もちろん閑散期で乗客も少ないことが予想されため、2等の方がむしろ伸び伸び出来るのではという期待もありました。 車なしの乗船でしたが、新門司へはあると言われる「乗り合いタクシー」ではなく、自宅からの送りの車で直接新門司入りしました。予想通りターミナルにはトラックが多く、乗用車も平日とあってごくわずか、徒歩客もほとんどいない様子でした。 乗船は18:40頃に開始され、待合室で見かけた他の乗船客は10人程度でした。乗船して2等客が案内されたのは、bデッキの2等船室ではなく、最上階nデッキの2等区画でした。ここは通路を挟んで3区画ずつの合計6区画がありますが、完全な個別の部屋ではなく各区画の仕切りは低い棚だけで、通路との仕切りは全くなしという開放型とも言えるタイプで、極端な話大部屋と言ってもいいほどです。一応、向かって左側が喫煙可の区画、右側が禁煙区画となっていましたが、仕切りもないのにどの程度意味があるのか・・・。とは言っても2等の乗船客は15人ほどで、乗客が少ないからということで、狭い一室をあてられてしまうよりも、こちらの大部屋の方が良かったのかもしれません。
自販機の価格は、種類は陸上並で、缶ジュースは130円、おつまみも200円で、カップ麺も200円とほぼ陸上並で良心的な価格設定となっています。売店の価格もほぼ陸上並と言うことで、別に陸で乗船前に色々と買い込むことは必要ないように感じました。 この晩のレストランの営業は19:00~20:30となっており、船上での楽しみは食事ぐらいですので行ってみました。カフェテリア方式でメニューしか並んでいませんが、希望品目を言えばその都度作ってくれるようになっていました。乗客数がわずかなのでこのようになっているようですが、閑散期だからといってメニュー数を減らしたりしていないのには好感を持ちました。ご飯、みそ汁、鶏の甘酢あんかけ、マカロニサラダの4品で1050円でしたから、良心的な価格設定との印象を持ちました。 船内の航路図には、各地点の地名と予定通過時刻がありましたが、やはり荒天時には瀬戸内海経由になることも多いようで、そちらの地点地名と予定通過時刻も明記されていました(別項参照)。乗船記念グッズ類ですが、数種あるオリジナルテレホンカード(800円)以外は、めぼしいものは見あたりませんでした。 ナイトクルージングのためこの晩は22時の消灯後早々に眠りにつき、翌朝目覚めると四国が遠くに見えるようになりました。8時過ぎに四国東端の伊島沖を通過(案内放送あり)、8:00~9:00まで朝食営業のレストランへ赴き朝食を・・・。ご飯、みそ汁、ミニオムレツ、冷奴の4品で630円でした。8:40~9:10の間はスナックコーナーに喫茶もオープンし、ロールパン、コーヒー、100%ジュース(数種)が用意されています。レストランの朝食を行き損ねても、軽い食事をとることは可能です。 11時に定刻通り徳島港へ到着。到着風景を見ようとデッキへ出てみると、この船のデッキは最前部まで回り込むようになっているので、最前部まで行くことが出来ます。一周できるので「飛鳥」のように軽いジョギングなどをすることも可能です。カーテンが開いていた空室の1等和を覗いてみると、敷布団と掛布団があり2等と1等和との差は「部屋の大小だけではない」ということも判明。 徳島では数人が下船し、下船が終了すると一旦ボーディングブリッジは切り離されます。おわかりの通り徳島で一時的な上陸は出来ません。もっとも港の周りには何もありませんが・・・。デッキより眺めていると、徳島でのトラックの積み下ろしもありますが、北九州から完成したばかりの乗用車もかなり下ろされました。日産とトヨタの九州工場での徳島方面の完成車の輸送も担っているようでした。徳島ではレストランの食材も積み込まれましたが、ボーディングブリッジからの搬出入ではなく、デッキに設置された小型のクレーンを用いて搬出入していました。 出航前にまたボーディングブリッジが接続され、徳島からの乗客が乗船。大学のサークルの団体が乗船したため、船内は多少にぎやかになりました。出港してすぐの12:15頃に進行方向に「おーしゃん うえすと」が見え、船内放送でも案内がされました。撮影するにはかなり距離があり300㎜程度の望遠は必要のようです。 レストランの昼食営業は12:00~13:00の間で、メニューは別表の通りです。私はカレーとミニハムサラダをチョイスしましたが、レストランを利用した大半の人が、カレーを選んでいたようでした。 昼食後はラウンジやフォワードロビーで景色を眺めたりビデオを見たり、たまにデッキへ出て外の風にあたるぐらいしか時間を潰す方法がありません。その他だとゲームコーナーか風呂に行くぐらいでしょう。ロビーでのテレビは地上波も結構受信できます。 日も暮れてきて、船上からは沈む美しい夕日と、それと入れ替わりに白く光る月がきれいに見えました。 18:30~20:30まで夕食のレストラン営業時間なのでそちらの方へ・・・。メニュー及び価格は別表の通りで、2日間とも全く同じメニューではなく、変化が付けられているのが嬉しいところ。同じ「酢の物」でも1日ごとに具材は別の物でした。今回はご飯、みそ汁、酢の物、ポテトサラダ、魚フライをチョイスし5品で1135円でした。やはり印象としてはフェリーのレストランとしては価格は安めの設定だと感じました。書き忘れていましたが、レストランは一応の営業時間は掲示されていますが、利用客が一巡したようだと早めに閉店となりますから、注意が必要です(事前に船内放送あり)。 食事後は展望風呂へ・・・。乗船客は相変わらず少ないため、結局2日間とも展望浴場は私一人の貸切状態でした。展望浴場自体はそんなに広くはないものの、結果的に快適に利用できました。 翌日は東京着が早いこともあり、消灯は21時半といささか早めでした。記し忘れていましたが、同社の2等は毛布は1枚だけ無料で貸してくれるようになっています。ただこの毛布が薄目の物で、この時期だと船内には暖房が効いているとはいえ、いささか肌寒くも感じました。阪九フェリーのように多少お金はとっても、複数枚貸し出して頂きたいところです(こんな閑散期だけでも)。毛布は2等の一つの区画の隅に積んであるだけなので、結構2枚目を拝借して借りていく人も見受けられました。これは当然かもしれません。 一夜明けて、3/2の東京港へは定時に到着しました。早朝5時の到着ですが、パンフには書かれていないものの、フェリーターミナル発の都バスは7時までないため、申し出れば6時半まで船内で休憩できるようになっています。ただ5時半の下船が済んだ後は6時半の最終下船の直前までボーデイングブリッジを切り離すため、その間の下船は出来ないようになっていました。 今回の乗船を通じて印象に残ったのは、徒歩客(というか乗船客)が非常に少ないということです。学校の長期休みの時期にはそれなりに多いかもしれませんが、年間通して平均すると乗客数はかなり少ないものと思われます。これでは新造船が「カジュアルフェリー」になってしまったのも頷けるところです。現在のところは「カジュアルフェリー」とこの「スタンダードフェリー」との2本建てですが、あと10年経った以降に予想される「いーすと・うえすと」のリプレイス時には、その代替新造船も「カジュアルフェリー」化してしまうことが容易に想像されます。「カジュアルフェリー」のレストランは記しましたように価格も安めとなっています。「カジュアルフェリー」を好まれる方はぜひレストランを利用して頂きたいように思います。でないと、将来的には「カジュアルフェリー」に統一されるのは避けられないように感じた次第です。このレポートが今後同航路の利用を検討されている方の一助にでもなれば幸いです。 メモ(新門司へのアクセス)
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写真もきれいで、ぜひ1度乗船してみたいです。