写真・文:金田 芳晴様
室蘭港に着いたのは22時頃である。今回乗船するフェリーは、9月から従来の直江津-博多航路から延長されてきた九越フェリー(≒東日本フェリー)の「れいんぼう
べる」である。これは東日本フェリーの航路再編により、9月からフェリーの配船が大幅に見直された一環である。
私はjafの会員では無いので、jaf会員の連れを代表に仕立て、10%引きとなった。
当初2等寝台の予定であったが、旅の計画の途中で人数が3人から4人に増えたため、予約を取り直したところ、満席となっていた。そこで、今回は奮発して1等船室をとった。(これがあとから考えると大正解)
日本海ルートは、大変格安である。今回大人4人の1等船室+マイカー(5m未満)で49,000円程度である。ちなみに、今回の同じ「れいんぼう
べる」で直江津から博多までは2倍以上となる事を考えると、まさに直江津-室蘭(岩内)航路はディスカウント価格であろう。
まさに競合する新日本海フェリーさまさま?
これは、フェリーの構造上仕方が無いのであるが、東日本フェリーへの第一の改善要望の一つである。東日本フェリーは、車両甲板が3層になっており、真ん中の層にのみ出入り口があり、下の層や上の層へは、船内の可動スロープを通って上がり下がりする。そのため、積み込みの時間が大きく掛かるようである。ちなみに新日本海フェリーの場合は、上層の甲板専用の入り口がフェリー埠頭に設置されているので、車両の積み込みは非常にスムーズで早い。 それで、結局23:55発予定が1時間以上おくれ翌日01:00頃出港となった。
さて船内であるが、積み込み時の不満が吹き飛ぶ程、立派な内容であった。「れいんぼう べる」は、確か96年4月に就航したばかりの新鋭船である。外観上の特徴は、分度器いや虹(れいんぼう)をイメージさせる煙突形状にある。また約13,500tで全長200m弱の大型フェリーにも関わらず、定員はわずか350名と少なく船内はとてもゆったりしている。
まず、エントランスロビーは、中央に木が植えられ、その周りに沿って上層へ行く螺旋階段が配置されている。いたるところにソファーやがごみ箱が配置されていて、休息したり、談笑するにはとても便利である。キャビンは3層あり、1階は船首の方から、サロン(フォワードサロン)海側に1等船室、船央側に2等船室があり、その後ろがエントランスロビー、喫煙室、展示室、スポーツルーム、2等船室、展望大浴場、そして2等寝台が一番後ろとなっている。その後方の外には、煙突の前にオープンテラスがあるが、航海中は、風の巻き込みが強く、長居は無用である。 (夏は居心地がいいかも?)
展望台浴場は、浴槽が3つ(ジャグジー+水風呂+ジェットバス)あったり、サウナが併設されたりで、ちょっとした温泉旅館並みの充実。衣服や貴重品を預けるコインロッカー(使用後にお金は戻る)もある。2階にあがると、本格的なマリンシアター(ミニシアター)と、カラオケルーム、特等室がある。ミニシアターは、3管式プロジェクターと60インチスクリーンを組み合わせ、ldで上映していた。遮音がしっかりしており、船の中にいることを忘れるぐらい映画に集中出来る。この時は「スピード」ともう一本は邦画を上映していた。
3階は、レストラン、カフェテラスがある。カフェテラスは、乗船直後深夜まで営業しており、利用者も多くいた。 レストランは、入り口で食券を買って入り、ウェイトレスの方が、食事を運んできてくれる方式です。席は禁煙席と喫煙席が完全に仕切られており、禁煙派の私は感激しました。更に、営業時間も2時間ある。(新日本海フェリーの場合は1時間)
私が取った1等船室は、4人部屋なのですが、ベッドは3つだけで、1人分はソファーベッドになってしまう。(れいんぼう らぶでは、2段ベッドに変更になている)当初予約していた2等寝台を見に行きましたが、1段ベッドで広いのだか、煙突の直前(=エンジンの真上)と言うこともあって、振動と音はかなりのもの。ここを取るなら、船首部にある2等船室のほうが熟睡出来そうである。
もちろん、我々の1等船室は、振動、音も少なく快適だったが。
船首部のフォワードサロンは、この船内の中でも、もっとも静かで、振動もほとんど感じられない。(みんなのヒソヒソ話が聞こえてくるぐらい静か) 雑誌も置いてあり、読書や暇つぶし、昼寝にはもってこいである。れいんぼうべるの船尾部からの航跡は新日本海フェリーのそれと比べると、なぜか幅広く感じました。
船内の自動販売機で売ってる飲料水類は定価より高め。(新日本海フェリーでは定価)
出港時間は1時間以上遅れたが、到着時間は、ほぼ定刻通りであった。ただし、乗船時と同じく、下船にもやや時間をとられ、船から下りるのに30分程度要した。又、このフェリーは、室蘭から博多へ乗り換え無しで行けるが、その人数はかなり少なく、室蘭で乗った方のほとんどが、直江津で下船された様である。直江津からの新たに乗ってこられる方はどの程度かは、確認できなかった。
このフェリーを室蘭-直江津に投入したのには、九州航路の不振があると思うが、我々利用者にとっては、快適な旅が格安で出来て大歓迎である。
東日本の直江津-岩内航路にはこの11月から新鋭船新「ばるな」が就航し、ますます快適な船旅が楽しめそうである。来年は、この「ばるな」に乗船したいと密かにねらっているのだか・・・
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