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南スペインの風そよぐ~「さんふらわあ さつま」
写真・文:idyllicocean
志布志港の「さんふらわあ さつま」  先日('93 8/18~19)、志布志港から大阪南港まで待望の新造船、ブルーハイウェイラインの「さんふらわあさつま」に乗船した。ちょうどこの時は、鹿児島県地方に大型台風による大きな被害が出ており、鹿児島方面へ向かう日豊本線も西都城以南は不通に、道路もあちこちで土砂崩れのため不通になっていた。私自身も本当に志布志港までたどり着けるのだろうか?と心配しながらも当日は難なく「さんふらわあ」の発着する志布志港フェリーターミナルに到着することができた。出港時刻の20:00が近づき、乗船手続きを終えて乗船するまで「さんふらわあ」の写真を撮りながら過ごした。乗船タラップを上り、船内に入るとはるか上方のへと続く立派なエスカレータの前に出る。このエスカレーターを登っていくと案内所のある、bデッキに出るわけだ。この船の居住スペースは3層からなり上からプロムナードデッキ、aデッキ、bデッキとつづいている。

 ニューさんふらわあのテーマは、地中海の風、そしてこの「さつま」が南スペイン風に、そして08月26日デビューの「きりしま」が南フランス風に仕上げてある・・とブルーハイウェイライン発行のパンフレットに記してあった。この船のつくりはまさにその通りだった。どこを見まわしてもそこは日本のフェリーに乗っている気がしない。どう見てもヨーロッパの一都市に来ている雰囲気だ。

 二等寝台の船室に荷物を置き、船内探検に出かける。エントランスホール中央のらせん階段を上へとのぼり、最上層;プロムナードデッキに出る。そこにはメインレストラン 「コスタ・デル・ソル」と予約制のグリル 「ラス・ブリサス」の二つのレストランがあり、前者の「コスタ・デル・ソル」はスペインの中庭 パティオ をイメージしたつくりになっている。

 二つのレストランの間にある扉から甲板に出て夕闇の志布志港を見おろすとそろそろ出港の時間がきたようで、船はランプウェイを持ち上げ、乗船タラップを外す作業をしていた。出港の様子を見ようと甲板にしばらくいることにした。

 志布志港を出港してから船内探検を再開。この船で一番期待していたポイントーaデッキ船首部にあるサロン「ronda」へと期待しながら足を運んだ。-ここはブリッジの真下にあり、その窓からはブリッジと同じ景観を楽しむことができる。- ところが、この日はお盆休みのためか、お客さんが多く「サロン」は2等船室へと早変わりしていたのである。そのため「サロン」は除くことしかできなかった。内心「何故ここが2等なの?ー」 と声を上げたくなってしまった。

 この船は今年の3月三菱重工下関工場で建造された最新鋭船で総トン数は12,436トン、全長は186mの大型フェリーなのだが、フェリーと言うよりもクルーズ客船を思わせる豪華さだった。最新鋭のフィンスタビライザー(横搖れ防止装置)を備えたこの船での航海、は太平洋を航海していることを忘れてしまうほど、安定した、ほとんど搖れないーそんな航海だった。正直に言って瀬戸内海を航海しているかのような感じがした。

 航海も大半を終え大阪南港沖にまで着た時、関西汽船の別府航路に就航中の2隻の「さんふらわあ」、「さんふらわあ こがね」と「さんふらわあ」が港湾施設の関係上か沖で仮泊しているのに出会った。たぶんこの船の入港のために入れ替わりで沖待ちしているのだろう。運行会社こそ違うものの本船と同じ九州方面へいく「さんふらわあ」として3隻ばったり大阪南港沖で出会ったとき、本船はあいさつしているかのように入港の汽笛をならしながら大阪港へ入港して行った。

*写真は「志布志港のさんふらわあ さつま」

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