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ダイヤモンドプリンセス - 夏のアラスカクルーズ (2/4)
diamond princess alaska summer cruise. june 12th to 19th, 2004

text and pictures by idyllicocaen


クルージングの午後
2日目-太平洋を終日クルージング
2nd day, cruising the north pacific ocean

二日目は終日航海日。船は思ったよりも揺れている。シアトル出港後、インサイドパッセージを北上するのかと思っていたが、船内の航行状況モニターを見ると、どうやらバンクーバー島西側の太平洋を航行しているようだ。どうやら揺れるわけだ・・・。気持ちいい朝の陽射しを浴びてクルーズ二日目がスタートした。

ホライゾンコートでの朝食を終えると船尾よりのプールとジャグジーを見物。海のうねりによりプールの水も激しく右往左往している。奥の壁にあたったプールの水が跳ね返ってきて手前の壁にバッシャーン・バッシャーン。波の出るプールよりも激しい波がプールで繰り広げられている。さすがにこの状況ではプールには入れないので、プールはパス、近くのサンデッキでくつろぐことにした。


ずっと続く航跡
プールサイドのチェアに寝そべっていると、タイ人のウェイターが「ハンバーガーはいかが?」と奨めてくる。さっきホライゾンコートで食事したばかりだから、それほどお腹はすいていないのだが、ハンバーガーの魅力も捨てきれず、思わずthank youといってしまった。

出てきたのは立派なビーフパテイーのハンバーガーとフレンチフライのセット・・・。そして目の前にはソーセージやチーズが贅沢に使われたピザの誘惑が・・・。目の前に出されるご馳走に翻弄されながら、食っちゃ寝、食っちゃ寝のいたって贅沢な時間を過ごした。

船は順調に太平洋を北へ北へと航行している。かなりのスピードで航海しているので、通常の船であれば、通常かなりの強風にさいなまれるのだが、この船の場合、風防もよく考えられていて、プールサイドでゆっくりしていても全く風を感じない。むしろ日の光を浴びて、なんともいえない快適さだ。これだからクルーズはやみつきになるのかもしれない。海の上の大きな都市が、整然と移動しているなんともいえない感覚がそこにはある。


ラウンジでアレンジしてもらったバラの飾り物
二日目の夜はフォーマルディナー。皆が思い思いのおしゃれをしてディナーを楽しむ特別の日だ。タキシードの使用率はそれほど高くはないが、皆が思い思いにお洒落してクルージングを楽しんでいる。船内のあちらこちらに写真撮影のブースが展開され、家族写真を撮る人、夫婦で写真を撮る人などでにぎわっている。船の上ながら陸上の写真スタジオを遥かにしのぐ撮影スタジオセットが展開されている。

アフタヌーンティーを楽しみながら船内を散策していると、ロビーの一角に生花コーナーが出現していた。折角だから妻の頭飾りとブレスレッドに生花をアレンジしてもらい、フォーマルディナーを楽しむことにした。値段は20ドル前後。船の上で生花をアレンジしてもらう思い出を作ったと考えれば決して高くない。私もこれを機会に船上でnauticaブランドのネクタイを購入、これをつけてフォーマルナイトに挑むことにした。(まだタキシードには若いからね・・・)


ビバルディレストランでのオードブル
フォーマルナイトのディナーとしてチョイスしたのはイタリア料理のビバルディレストラン。ペンネのパスタとサーモンのグリルが今夜のメインだ。室内はアンティークないい感じのトーンで好感がもてる。前菜としてオーダーしたのは「生ハムのクランベリーソースかけ」。思いもよらないコンビネーションだったが、味はgood!贅沢に生ハムが5枚もお皿に載せられて、ディナーがスタートしたのだった。


二日目-洋上の夕日
続いて供されたのは、サラダとペンネ、そしてグリルドサーモンだ。ペンネのほうは可もなく不可もなくといった感じだったが、サーモンのほうは美味しかった。さすがアラスカに向かう船だけあり、アラスカサーモンを大量に仕入れているのだろうか?そして格別だったのはオニオンスープ。温かいスープをすすりながら、ディナーは進んでゆき、最後にデザートのアイスクリームとカスタードパイが供された。アメリカ人的な強烈に甘いテイストだったが、ゆっくりとした空間でディナーを楽しむことができ、満足な二日目の夜だった。

ディナーが終わり、腹ごなしにデッキに出てみた。太陽がちょうど沈もうとしていて、海全体がオレンジ色に染まっている。この感動は船に乗るたびに、何度見ても飽きない、感動的でロマンチックなシーンである。船は北西方向に進んでいるので太陽は船首方向右側で沈んでいく・・・。緯度が高いので日没時刻も遅い。既に時計は10時を廻っている。クルーズ二日目もそろそろ終了だ。


ジュノーに到着したダイヤモンドプリンセス
3日目-ジュノー
3rd day, Juneau.

クルーズ3日目の朝。今日はジュノーに寄港する。予定入港時刻は午前5時とかなり早朝だ。朝、目を覚ますと既に船はジュノーの港に到着していた。ようやくたどり着いたアラスカの地だが、お構いなしにまずはホライゾンコートで朝食。この朝食は何度きても忘れられない。フルーツとパンケーキをたくさん頂き、一日の栄養源とした。

港にはとっくに着岸しているのに、乗客はまだ一人として下船していない。エントランスロビーには溢れるほどの人・人・人。この船にこんなにも大勢の乗客が乗っていたのだと、改めて再認識した。ジュノーで一時下船できるのは何時だと皆に聞くが、誰としてはっきりとした答えを持っている人はいない。あとから判明したことだが、一時寄港の事務処理に多少時間が掛かっていたようだ。


乗下船時はこの機械にボーディングパスを通す。
エントランスで待っている間は、船専属のミュージシャンの出番。美しく奏でられるメロディーに、下船できる瞬間を今か今かと待って気がたち易い乗客たちを落ち着かせる効果もあったに違いない。タイタニックのテーマに加え、エーデルワイスなど有名なメロディーを美しく奏でられていく。気がつくと隣りの初老の紳士は大きな声でエーデルワイスを絶唱する始末。いつの間にか乗客たちは下船よりも音楽を聴くことに気がとられて・・・それほど苛苛しなくなっていたようだ。

それから約30分後、ついに乗下船口の扉が開いた。ついにアラスカの地に足を踏み入れる日が来たのだ・・・。乗船中の財布代わりともなっているセキュリティーカードを一枚ずつ下船口の機械に通し、タラップを降りて下船した。


メンデンホール氷河へのツアーバス
二日ぶりにみるダイヤモンドプリンセスの雄姿。なんと大きい船だと見上げている人もちらほら。まずは乾いた喉を潤すためにジュノーのターミナルの自販機でコカコーラを購入した・・・。2ドル。船上のソフトドリンクバー20ドルとは大きな違いだ・・・。


メンデンホール氷河
下船するとジュノー近郊の観光地をめぐるツアーの看板があちこちに見える。地元アラスカのツアーオペレータによるツアーだ。私たちはジュノーから約1時間程のメンデンホール氷河をめぐるデイツアーに参加した。ツアーは20人乗り程度のマイクロバスで出発。バスの横には last frontier tours と書かれている。このバスがどんな秘境へと連れて行ってくれるのか興味津々。ちなみに全く同じツアーが船上では約2倍近い値段でオプショナルツアーとして売られていたので、ここは船からオプショナルツアー予約しないほうが得策。

バスで40分ほど走るとメンデンホール氷河に到着した。山々にたまった広大な氷河の塊が少しずつ下がってきて大氷原を作り出しているそうだ。アラスカの氷はなんとなくブルーがかっている。これはとてつもなく長い時間をかけて岩から染み出た水にミネラル分が溶け込んでこのような色になっているそうだ。氷の純度や硬度も非常に高いらしく興味深い。大氷原を歩いてみたくなるのだが、表現そのものへはアクセスできず、ここでは氷河を展望台から見るだけ・・・。氷河に実際に降り立ちたければヘリコプターツアーを予約するしかないが、これは非常に高価なのでパス・・・。氷河の展望台でgracer water なるものを買ってみた。素人には普通の水と何が違うのかは区別できなかったがボトルがなんだかかっこいい。それになんか体にいい気がする・・・。うん、旅の思い出作りにはぴったりだ・・・。


ダイヤモンドプリンセス(左)とオーステルダム(右)
メンデンホール氷河からの帰り道、ツアーバスは、ダイヤモンドプリンセスの停泊するジュノー湾の反対側の展望台に私たちを案内した。林の中へと続くブラックベリーの茂る小道を下っていくと、突然、対岸に停泊する豪華客船が3隻、目の前に現れた。どれもが250メートル超えの超大型客船だ。

私たちの乗船しているダイヤモンドプリンセスの右側には、ホランドアメリカラインのオーステルダム、シアトルでダイヤモンドプリンセスの隣りに停泊していた船だ。そして左側にはロイヤルカリビアンのラディアンスオブザシーズ。これだけたくさんの大型クルーズ客船がそろい踏みすると、アラスカの小さな町であるジュノーが観光客で埋め尽くされる。ジュノーの街の人口は約3万人、3隻のクルーズ客船で今現在、ジュノーを訪れている観光客の数は約1万人。街の人口の1/3の人数がクルーズ客船の乗客としてジュノーを訪れている。なんとも不思議な感じだ・・・。


ジュノーのチョコレート職人
メンデンホール氷河観光を終えて、ダイヤモンドプリンセスに戻ってきたのは昼過ぎ。船に戻る前にジュノーの街をぶらり歩いてみた。観光客が多いせいが、街は割とにぎやか・・・。ダウンタウンには毛皮製品のお土産店や、宝石店などが軒を連ねている。中でも妻の目にとまったのがチョコレート店。

店内に入ってみると、甘ーいチョコレートのいい香りが・・・。ガタイの大きい笑顔の職人さんが、一生懸命チョコレートを作っている。いや練って練って、練りまくっている。どろどろのチョコレートをヘラですくっては返して、生乾きのチョコレートになすりつけ、またチョコレートをすくっては、なすり付けと・・・同じことをひたすら繰り返している。お菓子作りの好きな妻に言わせるとテンパリング?というらしい。なんだかよくわからないが、この練り練りチョコレートを少し買ってみた。美味しかった・・・といいたいのだが、アマかった!記憶しか覚えていない。でもきっとおいしかったんだろう。うん。おいしかった。たぶんそうだと思う。


夕食のシェパードパイ
ジュノーの街の観光をおえ、ダイヤモンドプリンセスに戻ったのは16:00頃。少しキャビンで休憩したらもう夕食の時間。この日の夕食はインターナショナルダイニングルームをチョイス。

このインターナショナルダイニングルームはいわゆる通常のトラディショナルダイニングルームで、このクルーズ客船の定番レストランの位置づけだ。このレストランで供されるディナーは他の4つのパーソナルチョイスレストランのどこでもチョイスすることができる。今晩のメイン料理は、鴨肉のサラダにシェパードパイ、そしてデザートは砂糖たっぷりのメレンゲシュー。毎日フルコースディナーなんて何という贅沢!!!しかも、クルーズはまだ3日目、明日も、明後日もこの贅沢三昧の生活が楽しめるぞ。ムフフ・・・。だんだん自分がブタになっていく予感。

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